セインブルーと姉妹都市の絆〜チアフルーツ舞台探訪

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    「待たせたわね、アミーガ!」


    ソンブレロ帽にカラフルなメキシカンポンチョを身にまとい、カッコよく決めポーズ!
    これは追加戦士セインブルーとして青山勇気ちゃんが劇中劇ヒナネクターショーに初登場する、
    アニメアクションヒロインチアフルーツ第5話の名シーンなのであります。

    さて、なぜ彼女はこのようなメキシカンチックな格好をしているのでしょう?
    実はそれを探求していくと400年以上昔の大多喜町の歴史に突き当たるのです。


    今回のチアフルーツ舞台探訪は大多喜町を飛び出してお隣の御宿町(おんじゅくまち)まで

    足を伸ばしてきました。チアフルーツの聖地は実は大多喜町だけではないのです。なぜかって?

    それは読んでのお楽しみ。最後までお読みいただければ幸いです。

     

    それではチアフルーツ舞台探訪第4弾、この青山勇気ちゃん演じるセインブルーと
    大多喜町・御宿町の歴史に焦点を当てて出発進行です!

     

     

    まずはこの方の写真からご覧ください。セインブルー同様、ソンブレロ帽に

    ポンチョを纏って颯爽と馬にまたがっているこの異国の方はいったい誰…?

    この方は昨年の大多喜お城まつりの武者行列に登場したドン・ロドリゴさんです。
    大多喜が本多家に治められていた当時のスペイン領フィリピン諸島臨時総督です。
    毎年本多忠勝・忠朝の勇壮な武者行列と一緒に町中を練り歩きます。大多喜の
    お城まつりでスペイン提督のロドリゴさんが大々的に登場するのはなぜでしょう?
    それは400年前から続く、大多喜町・スペイン・メキシコの尊い交流の歴史が
    あるからなのです。

     

    1609年(慶長14年)、スペイン領フィリピン諸島臨時総督ドン・ロドリゴはフィリピンでの

    任期を終え、ガレオン船サンフランシスコ号に乗ってフィリピンのマニラからスペイン領
    ヌエバ・エスパーニャ(現在のメキシコ合衆国)ヘ帰ろうとしていました。当時のスペインは

    列強の一角として名を馳せ、環太平洋地域を中心に領土を広げ勢力を拡大していたのです。

    ロドリゴはそんなスペイン領ヌエバ・エスパーニャ生まれのスペイン人総督でした。

     

    ところが帰還途中に暴風雨にあい同年9月30日、御宿町の沖合でサンフランシスコ号は
    座礁してしまうのです。一行は当時の大多喜藩の領地であった御宿町岩和田の漁民たちに

    助けられました。地元民の海女たちがおぼれた乗組員たちを素肌のぬくもりで温め、

    献身的に救命活動をしたという逸話も残されています。そして、373名の乗員のうち

    ロドリゴを含めた317名が命を取り留めたのでした。

               ドン・ロドリゴ上陸の地(千葉県御宿町岩和田)

               大多喜中心地から車で25kmほどの場所にあります

     

    数日後、当時の大多喜領主本多忠朝(ただとも)は岩和田を訪れ一行を歓待し、徳川幕府にも

    依頼して彼らに衣服や食物を与えたと伝えられています。その後、ロドリゴ一行は二代将軍秀忠、

    そして家康にも謁見し、日本とスペインとの貿易交渉を行ったのち、翌年家康から貸与された

    サン・ブエナベントゥーラ(幸運)号でメキシコへの帰還を果たしたのでした。

     

    その後日本の鎖国政策でこの国際的な美談は忘れ去られていたのですが、明治時代になり

    再評価され、1888年には日墨(日本・メキシコ)修好通商航海条約が結ばれます。

    当時の日本は海外列強と多くの不平等条約を結ばされていましたが、忠朝のロドリゴたちへの

    厚遇のおかげでこの条約は平等条約となったそうです。

    さらに1928年(昭和3年)には御宿町岩和田の地が三国の交流発祥の地であることを記念して、

    日西墨(日本・スペイン・メキシコ)三国交通発祥記念之碑がロドリゴ上陸地にほど近い

    御宿町の高台に建設されたのでした。

              日西墨三国交通発祥記念之碑

     

        記念碑のある高台はメキシコ公園として整備され、尊い歴史を今に伝えています

     

    その50年後の1978年(昭和53年)、この本田忠朝時代の交流が契機となり、大多喜町と

    メキシコのモレロス州の州都ク工ルナバカ市は姉妹都市提携を結んだのです。上陸地御宿町は

    同じくメキシコのアカプルコ市と姉妹都市提携を結びました。同年11月1日にはロペス・

    メキシコ大統領が御宿町・大多喜町を訪れて町民と交流し姉妹都市の絆を深めていきました。


              御宿町メキシコ公園にあるメキシコ大統領来訪記念碑


    ちなみに大多喜町には「メキシコ通り」という大多喜城と大多喜駅を結ぶ道路があります。

    訪問したメキシコのロペス大統領がその道路をパレードしたことから名付けられました。

    御宿町でも同様に御宿駅からロドリゴ上陸地までの道路が大統領の名を取ってロペス通りと

    名付けられています。メキシコとの絆を大切にしたい両自治体の心意気が伝わってきますね。

     

    こんな姉妹都市提携に至る経緯もあって、毎年大多喜お城まつりでは本多家と親交の深かった

    ドン・ロドリゴさんが武者行列に登場しているというわけなのです。

          大多喜町のメキシコ通りの歩道には古代メキシコのデザインタイルが

          埋め込まれており訪れた人の目を楽しませてくれます

     

     

    さて、アニメの方に話題を戻しましょう。

    御宿町地元民の献身と本多忠朝の温情が結んだ絆によって、大多喜町はメキシコの

    クエルナバカ市と姉妹都市となったわけですが、実はこの史実が、大多喜町が聖地となった

    アニメ、アクションヒロインチアフルーツのストーリーに反映されているのです。

     

    劇中劇ヒナネクターショーで陽菜野を守る3人の戦士がピンチに陥ったとき、颯爽と

    冒頭紹介のセインブルーが登場し、メキシコから姉妹都市陽菜野のピンチを救いに来たと

    名乗りを上げるのです!!


             セインブルー:「メキシコ合衆国モレロス州クエルナバカから…」

     

          「…姉妹都市陽菜野の平和を守るためにやってきた、セインブルー!」

     

    当ブログで何度も紹介してきているとおり、チアフルーツの舞台陽菜野市のモチーフに

    なったのは大多喜町です。このチアフルーツ第5話では大多喜町の姉妹都市である

    クエルナバカ市を、セインブルーというキャラクターの出身地としてストーリーに

    そのまま生かしているのです。大多喜町民としてこんなに嬉しいことはありませんよ!

     

    そしてドン・ロドリゴよろしくメキシコの民族衣装に身を包むセインブルーが

    「待たせたわね、アミーガ!(スペイン語で女友達という意味)」と言って登場する

    このシーン…日本とスペイン、メキシコの友好・交流の発祥地である大多喜町、

    御宿町リスペクトにあふれたすてきな演出だと思いませんか?


    アニメを見ないとわかりませんが、このセインブルー登場シーンに流れるラテン調のBGMの

    曲名も「セインブルー クエルナバカから愛をこめて」…曲名まで大多喜町リスペクトなのです!

     

    チアフルーツでは大多喜町を単にアニメの舞台として描くだけでなく、町の歴史まで丁寧に

    調査した上で、それをキャラクターやストーリー・BGMに至るまで反映させ描こうと

    してくれているのです。今回の取材を通じてさらに言えば、セインブルー役の青山勇気ちゃんの

    誕生日はロペス・メキシコ大統領が御宿と大多喜を訪問したのと同じ日の11月1日…!

    全く、セインブルーほど聖地のエピソードが生かされたキャラクターの例を筆者は他に知りません。

    チアフルーツの制作スタッフが丁寧に大多喜町を描こうとする、徹底した聖地リスペクトな姿勢に

    神謝神激以外の言葉が見つからないのであります。

            大多喜町リスペクトにあふれるセインブルー役の青山勇気ちゃん      

         大多喜町さん、町のアニメ版の観光大使として任命してはいかがでしょう?

     

     

    そして御宿町も当時は大多喜藩の領地でしたし、その岩和田の漁民たちの献身的な優しさが

    なければ姉妹都市の絆も生まれなかったわけですので、大多喜町、御宿町ともにチアフルーツの

    聖地と言うことができるでしょう。チアフルーツの聖地は大多喜町だけではないという

    ことはこれでおわかりいただけたのではないかと思います。


    大多喜町の国道297号沿いにある御宿町への案内看板です。ここに描かれている御宿町の

    ご当地キャラクター「エビアミーゴ」もロドリゴとの交流を元に生み出されたキャラクター

    なんですって。何となくセインブルーの雰囲気に似てるような…もしかしたらセインブルーの

    衣装やセリフにエビアミーゴの要素も生かされていたのかも知れませんね。

     

     

    さて、このエピソードが登場するチアフルーツ第5話のストーリーもちょっぴりご紹介。
    セインブルーを演じる青山勇気ちゃんは実は双子の姉妹。妹の元気ちゃんと二人でアイドルに

    なって同じステージに立ちたいという小さい頃からの夢を持っていました。


    でも、とある事情でその夢は実現困難となってしまいます。元気ちゃんと約束した夢を実現できず

    葛藤する勇気ちゃん、その勇気ちゃんの気持ちをくみ取って優しく励ます妹の元気ちゃん…

    この二人の姉妹愛の尊さは涙なしには見られません。姉妹都市の絆、姉妹の絆…姉妹をキーワードに

    勇気ちゃんが自信を取り戻すまでを温かく描いたストーリーが秀逸で本当に素晴らしいです。

    脚本家の先生、本気で尊敬しちゃいます。この5話を見た上で最終話を見たらもう…おっと、
    これ以上は言えません!

     

    とにかくアクションヒロインチアフルーツは全編を通して心がほっこりするエピソード満載の

    すてきなアニメなので皆さん是非ご覧くださーい!!

     

    という訳で今回のチアフルーツ舞台探訪はここまで。セインブルーのメキシコチックな格好は

    400年以上昔に端を発する大多喜町・御宿町とメキシコの姉妹都市との絆の象徴だったわけです。

    それにしてもチアフルーツの大多喜愛を突き詰めると毎回本当に歴史の勉強になりますね(^▽^)

     

    ちなみに今年の大多喜お城まつりは10月14日開催と決まりました(前夜祭は13日)。

    皆さん是非大多喜町にお越しいただき、勇壮な武者行列をご覧いただき、町の歴史とチアフルーツに

    思いを馳せていただけたら幸いです。その際には御宿町にも是非足を運んでみてくださいね。


     大多喜町のFBページはこちら→https://www.facebook.com/town.otaki/photos/gm.251225988774048/1529727493805012/?type=3&theater 

     

    ヒナーノの里のなべちゃん運転士でした。



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