胸のエンジン再点火(最終回)

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    「胸のエンジン再点火」最終回です。今回も文章多めでごめんなさい。

     

     

    2回目の挫折の後も、長いこと残り火はくすぶっていました。
    その後も鉄道を利用する度に列車の運転席に目をやるわけですが、
    私より若い運転士さん達が颯爽と活躍する姿が目に入ってきます。
    そんな時「どうして自分はダメだったのかなあ。うらやましいなあ。」
    と思う自分が必ずそこにはいたのです。再度激しく燃え上がった思いは、
    そう簡単に消すことはできなかったのですね。「電車でGO!」も
    碓氷峠通いも相変わらず大好きなままでした。

     

    そしてそれからまた約10年、ついに「青天の霹靂」が起こったのです。
    訓練費自己負担運転士養成制度がいすみ鉄道で始まったのです。
    かつて2回も恋い焦がれて2回も夢破れた運転士になる大チャンス!
    今回はかつて私を苦しめた、あの年齢制限も存在しないというのです。
    「三度目の正直に挑戦しないか?」と言わんばかりのいすみ鉄道の誘いは
    私の心を大きく揺さぶりました。20年以上頑張ってきた教職を続けるか?
    転職の道を選ぶか?

     

    やっぱり迷いましたが一度きりの人生です。後悔しないのはどちらなのか
    天秤にかけたら、やっぱり運転士になりたい気持ちが勝ったのでした。
    そして2013年の春、私はいすみ鉄道の門を叩いたのです。
    国家試験に向けて学科の勉強と実技の訓練を1年3ヶ月積み、合格後は
    JR出向の教導運転士さんの指導の下、半年間訓練乗務を続けました。

     

    ここで私を支えてくれたのも、エンジンを再点火してくれた二つの出会い。
    訓練中、EF63の運転体験で身につけた知識や技能はとても役立ちましたし、
    アパートの部屋に飾った「電車でGO!」のポスターは、うまくなろうと
    努力を重ねた日々を思い起こさせ、毎日私に元気と勇気をくれました。
    最後の教え子達からの手紙にも励まされ、私は夢の実現に向けて全力で
    突き進むことができたのです。

     

    そして2015年新春、齢46になる一月前、ついに運転士として独り立ち。
    長い長い回り道はしましたけど、列車の運転士になるという夢はついに
    実現したのです。お客さんの笑顔のために運転を頑張れる自分になれて
    本当に嬉しかったです。その後新たな訓練も経て、今春からは国鉄形車両への
    乗務もできるようになりました。今はただ、私の夢の実現を励まし後押しして
    下さった全ての方に感謝したい気持ちでいっぱいです。
    これからもお客様の命を預かる責任を自覚し、安全運転に努め、運転士として
    誠実に頑張り続けていくことで恩返しをしたいと思っています。


    ちなみに、いすみ鉄道の前身は国鉄木原線。私のお師匠はみな元国鉄マン。
    そしていすみ鉄道のキハは「特(に)急(がない)列車」です。
    「国鉄の路線で国鉄の先輩方の指導を受け国鉄形の特急を走らせる」ことが
    できるようになった訳ですから、名実ともに小学校の卒業文集に書いた
    「国鉄の特急列車の運転士」になることができたと言えるでしょう(笑)。
    夢を育んで下さったEF63の教官の皆さんも元国鉄マンですしね。

     

                            36年前の卒業文集に記した将来の夢

     

     

    もしも自分がゲーマー兼の鉄道マニアでなかったら、好きなものにとことん
    のめり込む性格でなかったら、「電車でGO!」とEF63の運転体験に出会うことも、
    情熱全開で熱中することもなかったかも知れません。運転士になりたい気持ちが
    再び燃え上がることもなく、また別の人生を送っていたかも知れません。
    二つの運命的な出会いに感謝したいと思います。年齢制限という名の
    ラスボス(笑)を葬り去ってくれた鳥塚社長にももちろん大感謝です。


          ファミ通「おた博」にも載せて頂きました。ありがとうございます。

     

     

    20年前、何気なくレンズを向けていた飯山線のキハ52・28の列車。
    20年後、千葉でそれと同じ編成の列車の運転台に座ることになるなんて
    当時は微塵も思っていなかった訳ですから、人生って分からないものですね。

     


    40代後半で小さい頃からの夢を叶えることができた今、つくづく思います。
    好きなことに熱中するって、とても素敵で尊いことだと。
    好きなことに熱中するのに、年齢は関係ないと。
    好きなことに熱中していると、いつかチャンスの順番が巡ってくると。
    好きなことへの熱中は、人生のポイントをも切り替えるんだと。

     

    ♫チャンスの順番 次は君に来る どんなに負けてても今度は勝ちにゆこう
     諦めなければ夢は叶うんだ ずっと頑張ってきた君の努力報われるように
                                          (AKB48「チャンスの順番」より )

     

    今夢を追いかけている皆さんにとっても、自分の体験が何かのヒントに
    なれば幸いです。最後までおつきあい下さりありがとうございました。

     

    (神謝神激振り返りナイト楽しかったです〜。ナベちゃん運転士でした。)



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